起業家に伝えたい大切なこと

この差って何?地方銀行と第二地方銀行の3つの違い

起業家バンク事務局

2018.02.05

地方銀行と第二地方銀行

中小企業の経営者にとって金融機関との付き合いは避けられませんよね。

金融機関には、都市銀行、地方銀行、信用金庫、信用組合など、いくつかの種類があります。その中でも地方銀行は「地方銀行」と「第二地方銀行」の2つに分けられます。地方銀行とは、各都道府県に本店を置き、各地方を中心に営業を展開している普通銀行であり、地域の経済に大きな影響力を持っています。地方銀行も第二地方銀行も地域に根差した金融機関という点で共通していますが、この2つの地方銀行にどんな違いがあるのでしょうか。

違い1 設立の経緯が違う

地方銀行は「戦前から今と同じような銀行業務を行ってきた銀行」です。すべての地方銀行が全国地方銀行協会に加盟しています。一方、第二地方銀行は、そのほとんどが「相互銀行から転換した地方銀行」になります。相互銀行とは1951年に制定された相互銀行法に基づいて設立された中小企業向けの金融機関のことです。すべての第二地方銀行が第二地方銀行協会に加盟しています。

今は存在していませんが、相互銀行は、敗戦後の日本に適合していた「相互掛金」という金融商品を主に取り扱っていました。金融自由化の中で、1989年から1992年にかけて全て普通銀行に転換したため、今では相互銀行は存在していません。

違い2 銀行の数が違う

地方銀行は「62行」あるのに対し、第二地方銀行は「37行」とやや少なめです。(2021年9月時点)。ちなみに、2017年12月時点では、地方銀行は「64行」あり、第二地方銀行は「41行」でした。

地方銀行は、長崎県の十八銀行と親和銀行が合併して「十八親和銀行」となり、新潟県の第四銀行と北越銀行が合併して「第四北越銀行」となって、2行減少しました。

第二地方銀行だった八千代銀行が東京都民銀行(地方銀行)と新銀行東京の2行を吸収合併して「きらぼし銀行」となり、第三銀行は三重銀行(地方銀行)を吸収合併して「三十三銀行」となって、両行とも地方銀行へと移行しました。また、第二地方銀行だった関西アーバン銀行は地方銀行の近畿大阪銀行と合併して「関西みらい銀行」となり、同じく第二地方銀行だった大正銀行は徳島銀行と合併して「徳島大正銀行」となりました。

人口減少や低金利など経営環境が厳しさを増す中、合併や経営統合など地方銀行の再編が進展し、地方銀行・第二地方銀行ともに統合・合併によって数が減少傾向にあります。

銀行名の一覧は次の通りです。(出典:金融庁)

地方銀行(62行)

1. 北海道銀行
2. 青森銀行
3. みちのく銀行
4. 秋田銀行
5. 北都銀行
6. 荘内銀行
7. 山形銀行
8. 岩手銀行
9. 東北銀行
10. 七十七銀行
11. 東邦銀行
12. 群馬銀行
13. 足利銀行
14. 常陽銀行
15. 筑波銀行
16. 武蔵野銀行
17. 千葉銀行
18. 千葉興業銀行
19. きらぼし銀行
20. 横浜銀行
21. 第四北越銀行
22. 山梨中央銀行
23. 八十二銀行
24. 北陸銀行
25. 富山銀行
26. 北國銀行
27. 福井銀行
28. 静岡銀行
29. スルガ銀行
30. 清水銀行
31. 大垣共立銀行
32. 十六銀行
33. 三十三銀行
34. 百五銀行
35. 滋賀銀行
36. 京都銀行
37. 近畿大阪銀行
38. 池田泉州銀行
39. 南都銀行
40. 紀陽銀行
41. 但馬銀行
42. 鳥取銀行
43. 山陰合同銀行
44. 中国銀行
45. 広島銀行
46. 山口銀行
47. 阿波銀行
48. 百十四銀行
49. 伊予銀行
50. 四国銀行
51. 福岡銀行
52. 筑邦銀行
53. 西日本シティ銀行
54. 北九州銀行
55. 佐賀銀行
56. 十八親和銀行
57. 肥後銀行
58. 大分銀行
59. 宮崎銀行
60. 鹿児島銀行
61. 琉球銀行
62. 沖縄銀行

第二地方銀行(37行)

1. 北洋銀行
2. きらやか銀行
3. 北日本銀行
4. 仙台銀行
5. 福島銀行
6. 大東銀行
7. 東和銀行
8. 栃木銀行
9. 京葉銀行
10. 東日本銀行
11. 東京スター銀行
12. 神奈川銀行
13. 大光銀行
14. 長野銀行
15. 富山第一銀行
16. 福邦銀行
17. 静岡中央銀行
18. 愛知銀行
19. 名古屋銀行
20. 中京銀行
21. みなと銀行
22. 島根銀行
23. トマト銀行
24. もみじ銀行
25. 西京銀行
26. 徳島大正銀行
27. 香川銀行
28. 愛媛銀行
29. 高知銀行
30. 福岡中央銀行
31. 佐賀共栄銀行
32. 長崎銀行
33. 熊本銀行
34. 豊和銀行
35. 宮崎太陽銀行
36. 南日本銀行
37. 沖縄海邦銀行

違い3 貸出金利が違う

日本銀行では、銀行が新しく融資を行うときの貸出金利を公表しています。統計データを見る限り、貸出金利は地方銀行よりも第二地方銀行の方がやや高めとなっています。ただし、近年は日銀のマイナス金利政策が長引き、金融機関の貸出金利はかなり低水準で推移しています。したがって、地方銀行と第二地方銀行の貸出金利の差は大きなものではありません。

貸出金利

出典:日本銀行金融機構局「統計データ」を起業家バンクで加工

注1.金利は「返済期間が1年以上の長期貸付」が対象です。この長期貸付には、一般法人への融資、個人への融資の他に自治体向けの融資も含まれています。
注2.金利は、その月に実行された「新規融資」が対象となっています。
注3.預入金利のデータは公表されていないため、預入金利との比較は行っていません。

まとめ

地方銀行も第二地方銀行も合併や経営統合などによって再編が進展しています。地方銀行・第二地方銀行ともに地域に根差した金融機関であり大差はないですが、どの銀行と取引するか迷ったときにご参考ください。

今回はここまで。
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