起業家に伝えたい大切なこと

脱サラ後すぐに飲食店を開業しない方がいい理由

木村 美季

2019.12.14

 

こんにちは。

10年以上続く飲食店総合サポートコンサルタントの木村美季と申します。
以前は地元の大阪で、飲食店経営を夫婦で始め(夫は料理人、私はほぼ素人からスタート)、15年間女将をしておりました。
その後、飲食店専門コンサルタントとして起業し現在に至ります。
飲食店の開業サポートや人材育成を中心に活動しております。

 

本題に入る前にお伝えしますが、

私の専門(対象)は「小さな飲食店」様です。具体的には、店主が1人で経営されたり、ご夫婦や家族経営だったり。
そして
・「客席は40席以下」(極小店舗も含む)
・「年商3,000万円以下」(一日の売上げ約10万円以下)
のどちらかに当てはまる店舗様に向けて、
今回のブログも、お伝えしています。

ですので、ご自身の店舗や開業したいお店のイメージや規模と照らし合わせていただき、読んでいただけたら幸いです。

 

さて、

過去2回《開業準備、集客》を中心とし、
一回目「飲食店の開業準備に一番大切なこと」(2019.11.01)
二回目「常連客が生まれるチラシの配り方」(2019.11.08)というテーマでしたが、
三回目は「集客の準備期間」について、お話しさせていただきます。

 

私は常々、しつこいくらいに
開業前準備で一番大切なのは集客です。
と言っています。

更に「開業前からの集客が大切!」と言い切っています(資金調達とメニュー構築は当然の準備です)。詳しくは過去のブログを是非ご覧ください。

 

ですが、

私の元へ開業相談に来られる方の多くは、現職(場)に気を使ったり、また副業が禁止されている職場だったり、何より「退職(予定)後の進路を今の職場の人に、まだ知られたくない。」と、いう環境の元で働かれている方なのです。

 

ということで、

どうしても現在勤務中の仕事先の関係で、おおっぴらに集客活動(開業準備してます宣言でファン作りする等)できない方が結構いらっしゃいます。

集客どころか、いろいろなセミナー・勉強会などへの参加にも、存在を隠しつつ密かに一生懸命、通ってくださっている方もいらっしゃいます。

 

そういう方は、どうすればいいのか?

 

私の考えは以下の通りです。

退職して1年以上経ってから、開業すること。

決して、開業(時期)を焦らないこと。
イコール「集客準備にも時間をかける」こと。
開業日は、余裕を持って設定する。のです。

 

「なーんだ。そんなこと?」と思われませんでしたか?
思いましたよね?(笑)勝手に決めてしまってすみません(笑)
ですがコレ、とっても大切なことなのです。

 

ちなみに職人さん(飲食業界では料理人のこと)は、勤めていたお店を辞めて、
3ヶ月くらいで独立される方が多いようです(私の所へ相談に来られる方には、できれば最短でも半年くらいは準備の余裕を持っていただいていますので、あくまでも一般的なイメージです)。

 

これはこれで、結構ドタバタで(苦笑)、準備不足なことも多々あるのですが、
やはりそこは「プロ」。

特に開業日までの1週間の「追い上げ力」が脱サラの方とは違います(大変申し上げにくいですが)。どんなにタイトなスケジュールの中でも、ちゃんと開業初日には概ね80点。くらいのレベルまで引き上げて、オープン日を迎えられます。

 

また、長いあいだ職人さんでいると、

「独立したら連絡して!食べに行くから!」と、先輩や仲間に応援してもらえる機会が結構あるので、「開業までの集客(ファン作り)」も、そこまで力を入れなくても強力な仲間が自然に増え、上手く運営されていく店舗さんが多いです(もちろん、「開業前、集客準備」しないより、する方を断然おススメしますが)。

 

ですが、

特に「脱サラ(的な感じ)の方」は、
何度も恐縮ですが「開業前集客は必須」です。

 

ということで話は戻りますが、

働きながら密かに飲食店の開業を願っている方は、
・「集客準備にも時間をかける」こと
・「開業日は、余裕を持って設定する」こと。
・「退職して1年以上経ってから、開業する」こと
をお伝えしています。

 

なぜかと申しますと、

開業準備期間が短いと(例えば3ケ月くらい等)、「オープンしてからが本番」になり、何もかも初体験の事も多く、準備不足のツケの矛先が、例え、接客意外のことでも一般のお客様へ…。

場合によっては、
大切なお客様が実験台になる悲劇が起こってしまいます

 

ここで知っていただきたいのですが、
商売を進めていく中で、一般のお客様が一番厳しい目を持たれています
基本的には、
・「失敗は許されない。」
・「二回目(の来店)は、無い。」
と思って下さい。

例えば、何か失敗した時、いくら開業したてのお店であっても
「まだ慣れてないみたいだから、仕方ないよね。」
とは思っていただけません。

「プロなんだから、ちゃんと○○してよね。」
という方のほうが圧倒的に多い。

 

一度の失敗で 、特に知り合いではない一般の多くのお客様は、
二度とお店には来店いただけません。
(最悪の場合は、グルメサイトに書き込みをされてしまいます。)

 

また、

あなたは失敗・マイナスな出来事に気づいてなくても、お客様に「イマイチ。」と思われたら、それがお客様からの評価です。

 

ですので、

こういったことがないように、念入りに開業準備を重ねていただきたいのです
完璧な準備、ということは、ほとんどありませんが、出来ていないこと。気づいていないこと。が少なくなります。それが、お客様からの安心感にも繋がります。

 

スピーディに動くことは大切ですが、焦っても良いことありません。
とはいえ、焦る気持ちは、とっても分かります。
また、何かソワソワ・モヤモヤした感覚にもなるでしょう。

 

そんな方は、退職してから1年くらいは「自由だー♡(笑)」くらいの気持ちで過ごされてはいかがでしょうか?

 

それには理由があります。
環境にもよりますが、開業してしまうと(店舗を持つと)、
1年~3年は自由な時間が無くなるのと、お店から離れられないので、プライベートの時間を持つことが難しくなります。
(開業1年目は、定休日も何かと忙しいものです。)

 

参加したい勉強会も、楽しそうなランチ会も、恒例の親戚の集まりも…。
お気に入りのミュージシャンのコンサートも、見たかった映画も…。
あなたは出席できない・体験できない可能性、大です。

開業したら分かりますが、長期休暇がなかなか取れません

※しっかり黒字経営が続いていれば、定休日以外の休みも取ること自体は可能。
ただし、あまり自由きままに休んでいると、お客様のリピート回数が減ってくることがよくあります。

 

 

ですから、

退職後の1年くらいは、開業準備で学びや、アルバイト等の経験を重ねつつ同時に「行きたい場所に行く」「逢いたい人に会う」等ぜひ、実現して下さい。

その時は、作成した名刺をいつも持ち歩いて下さいね。
※名刺作成の件の詳細は「第一回目のブログ」に記載

 

さりげない会話のなかで、お渡しできるチャンスがあるかもしれません。

 

ということで、

今回は「集客準備も時間をかけること」を、お伝えしました。「時間は有限」です。限られた時間を無駄にせず、開業日まで大切に使って下さいね。

 


この記事を書いた人

木村 美季
10 年以上続く飲食店開業・運営コンサルタント
一般社団法人 日本ほめる達人協会 特別認定講師
ミラサポ(中小企業庁)専門家派遣講師
大阪産業創造館 経営相談室あきない・えーど 登録専門家


大阪府茨木市在住。女将歴 15年。飲食店の女将として 10 年間の夫婦営業。
2010 年に夫が急逝。
その後、自身の体験を活かし、飲食専門コンサルタント&講師として起業。
現在は開業や廃業支援(売上げアップ)の他、人材育成にも携わる。
開業サポート実績は、居酒屋・日本酒メイン創作料理・中華料理・日本酒メイン創作料理居酒屋・日本酒メイン bar・カフェ ・ シェアルームカフェ・ブックカフェ・モデルルーム併設カフェ ・海鮮丼居酒屋 など、小さな個人経営の飲食店が多い。

 

「スモールビジネス成功読本」書籍販売中

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