起業家に伝えたい大切なこと

補助金申請システム「Jグランツ」の利用方法

起業家バンク事務局

Jグランツ(ジェイグランツ)は、補助金の申請を効率化するために経済産業省によって開発されたシステムで、2020年から利用することができるようになりました。これにより、補助金の申請がインターネットから行えるようになり、利便性が格段に上がりました。

そこで、今回の記事では、Jグランツとはどのようなシステムなのか、また、どのようにして利用するのかなどについて紹介していきますので、一緒に見ていきましょう。

Jグランツのメリット

Jグランツとは、補助金の申請を効率的に行えるようにするために経済産業省により開発された補助金申請システムのことです。Jグランツを利用することによって、

①27種の補助金の申請を行うことができる(2020年3月時点)
②郵送せずに申請が可能なので、交通費、郵送費などの費用を削減することができる
③過去に登録した情報の入力が不要になる
④書類への押印などが必要ないので、無駄な事務作業を減らすことができる
⑤書類の提出漏れがなくなる

というメリットがあります。

「Jグランツ」の登場によって従来行われていた無駄な作業がなくなり、申請者および管理者側の業務負担が軽減されたことにより、事務作業の業務効率が格段に向上することが想定されます。

Jグランツを利用するためには?

補助金システムである「Jグランツ」を利用するためには、利用を希望する各利用者が1つのアカウントで複数の行政サービスにアクセスできる「GビズID」というIDを取得しなければなりません。

GビズIDを利用することによって、複数の補助金の申請の際に、社名や住所といった情報を繰り返して登録する必要がなくなります

では、どのようにして「GビズID」を取得すればいいのか、具体的は手順については以下のような流れになっています。

1. 「gBiz IDプライム」作成フォームに必要な情報を入力する

GビズIDには、「gBizIDプライム」、「gBizIDメンバー」、「gBizIDエントリー」の3種類があります。このうち「gBizIDプライム」に登録してください。
「gBizメンバー」や「gBizID」エントリー」に登録しても補助金の電子申請は行うことができません。
間違えないように「gBizプライム」を選択しましょう!

2. 入力完了後に申請書をダウンロードする

 インターネット上の電子手続きを行えば終了ではなく、申請書をダウンロードして印刷して郵送して全体の作業は完了となります。

3. 申請書に実印を押して印鑑証明書と一緒に郵送する

ダウンロードした申請書に実印を押して、印鑑証明書と一緒に所定の住所に発送します。なお、印鑑証明書は発行日より3ヶ月以内の原本となります。

宛先(2020年3月末日):
〒530-0003 大阪府大阪市北区堂島3-1-21 NTTデータ堂島ビル16階 経済産業省 GビズID運用センター宛
 

4. 審査結果を待つ

審査には約2~3週間かかります。

 
「GビズID」の取得のために準備しておくもの

スムーズに「GビズID」を取得するために、次のものを準備しておきましょう。

1. GビズIDに利用するメールアドレス
2. パソコンなどの利用端末
3. 申請書を印刷するためのプリンター
4. 印鑑証明書(3カ月以内)
5. 登録印鑑を使って押印した申請書

「gBiz IDプライム」を登録するときの注意点

「gBizIDプライム」アカウントを申請する際には、一つのメールアドレスを利用して複数のアカウントのアカウントIDとして申請することはできません。
つまり、会社をいくつか持っていても、一つのメールアドレスを使いまわすことはできません

複数のアカウントを作成したい場合には、あらかじめ別のメールアドレスを用意してgビズIDプライムアカウントの作成を行う必要がありますので注意が必要になります。

 

ここからは補足情報です
必要に応じて参考にしてください。

GビズIDの種類

gBiz IDエントリー

特に特別な審査を必要とせずオンラインで発行されるもので、IDとパスワードを用いた簡単な認証を行うものです。

gBiz IDプライム

特別な審査が必要で、IDとパスワードのみではなく、印鑑証明書なども要求されます。厳格な認証が行われます。

gBiz IDメンバー

組織の従業員等用として発行されるもので、証拠書類などが必要になります。

 

GビズIDで利用可能なサービス

GビズIDを作成することによって、補助金申請以外にも次のようなサービスを利用できます。

1. 保安ネット

インターネットから産業保安・製品安全分野の手続きの一部を行うことができるサービスです。

2. 社会保険手続きの電子申請

社会保険の手続きを電子申請によって処理できる機能を提供するサービスです。

3. ミラサポplus

中小企業向け補助金、支援施策情報提供サービスです。

4. 農林水産省共通申請サービス

農林水産省に関する手続きを電子申請によって処理できる機能を提供するサービスです。

5. 中小企業庁データ分析基盤

中小企業庁によって運営されているデータ分析、統計情報加工サービスです。

6. ミラサポplus・e-Tax Connect

e-Taxから取得した申告書データを事業者DBに連携する機能を提供するサービスです。

 

GビズIDを作成することによって、上記のようなサービスをインターネットから利用できるようになりますので、中小企業に関する情報集めや社会保険などに関する手続きを円滑に行うことができるようなります。

 

Jグランツで申請できる補助金の種類

Jグランツで申請できる補助金については次の通りです。

2019年度補正予算においては以下の補助金が対象になっています。赤字の補助金は特に申請する機会が多いものです。

1. 小規模事業者持続化補助金
2. ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金
3. サービス等生産性向上IT導入支援事業
4. 事業承継補助金
5. インバウンド需要による地域消費拡大推進事業
6. 大企業人材等新規事業創造推進支援事業
7. アジアDX等新規事業創造支援事業

さらに、2020年度当初予算からは以下のものが追加されました。

1. 質の高いインフラの海外展開に向けた事業実施可能性調査事業
2. 技術協力活用型・新興国市場開拓事業(研修・専門家派遣)
3. 質の高いエネルギーインフラの海外展開に向けた事業実施可能性調査事業費補助金
4. 低炭素技術を輸出するための人材育成支援事業費補助金
5. 伝統的工芸品産業支援補助金
6. 皮革産業振興対策事業
7. JAPANブランド育成支援等事業
8. 商業・サービス競争力強化連携支援事業(新連携支援事業)
9. 産油国石油精製技術等対策事業費補助金
10. 石油ガスの流通合理化及び取引の適正化等に関する支援事業(構造改善推進事業)
11. 原子力の安全性向上に資する技術開発費補助金
12. 社会的要請に応える革新的な原子力技術開発支援事業
13. 原子力産業基盤強化事業
14. 産学融合拠点創出事業
15. ヘルスケアサービス社会実装事業
16. 地域・企業共生型ビジネス導入・創業促進事業
17. 省エネルギー投資促進に向けた支援補助金
18. 電気自動車・プラグインハイブリッド自動車の充電インフラ整備事業費補助金
19. 技術協力活用型・新興国市場開拓事業(社会課題解決型国際共同開発事業)
20. 商店街活性化・観光消費創出事業

経済産業省のJグランツでは、上記で紹介した27種類の補助金の電子申請を行うことができます(2020年3月時点)。

Jグランツで利用可能な端末・ブラウザー

Jグランツで利用可能な端末には、どのようなものがあるのか、具体的には以下のようなものがあります。

1. パソコン
2. スマートフォン
3. タブレット

次に、利用可能なブラウザーには、どのようなものがあるのか、具体的には以下のようなものがあります。

1. edge、chrome、firefox(OSがWindowsの場合)
2. safari、chrome、firefox(OSがmacの場合)

IE(インターネットエクスプローラー)からアクセスする場合には、画面が正常に表示されないなどの可能性がありますので、上記で説明したブラウザーを利用してアクセスを行うのがおすすめです。

また、「Jグランツ」では、個人や法人の情報を取り扱うことになるので、利用の際には使用端末の利用場所やセキュリティをしっかりと考え、情報漏洩などを起こさないようにしましょう!

Jグランツを利用しての補助金を申請するときの注意点

補助金を申請する際には、各補助金の申請条件が異なっているので、事前に確認しておきましょう。

事前に申請したい補助金の受給条件について確認していないと、補助金を申請したくても条件を満たしておらず、申請すらできないというような事態も発生します。また、補助金ごとに申請期間が設定されているため、この点にも注意しましょう。

Jグランツを利用しての補助金の電子申請を行おうと考えている人は、IDや補助金の種類、利用可能な端末のみならず、補助金ごとの受給条件や期日についても確認しておくことが重要になります。

まとめ

人員や予算が豊富ではない中小企業にとって、補助金の活用は、事業を安定・拡大させるのに重要なことです。この申請作業の効率が上がることによって自社の業務効率の向上につなげることができることができます。

この記事をご覧の皆さんは、今回の記事で説明した内容を参考に、Jグランツとはどのようなシステムなのか、また、どのようにして利用するのかなどについて検討してみましょう!

 

今回はここまで。
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