小規模事業者持続化補助金の様式7の書き方
持続化補助金の賃金引上げ枠を申請をする場合、「賃金引上げ枠の申請に係る誓約書」(=様式7)を記載して提出しなければなりません。今回はこの様式7の裏面の書き方について解説しています。
様式7の裏面の書き方
まずは、直近1ヶ月分の賃金台帳をもとに、事業場内の最低賃金となる時間給(または、1時間あたりの時間換算額)を計算する必要があります。事業場内の最低賃金の対象者が時給制の場合は非常に簡単ですが、月給制等の場合は、賃金の支払総額を所定労働時間数で割って、1時間あたりの時給換算額を計算するなど、ひと手間かかります。
そのため、この記事では、時給制の場合と月給制の場合と2つのパターンを解説します。
1.最低賃金の従業員が時給制(パートアルバイト等)の場合
たとえば、時給1,100円のアルバイトが、事業場内の最低賃金で働いている人であった場合、下記のように、時給制に☑をして、時間給を1,100円と記載すれば問題ありません。また、「④事業場内最低賃金となる時間給または時間換算額」も同様に「1時間あたり(1,100円)と記載します。
「⑤申請時点の地域別最低賃金」については、都道府県ごとに最低賃金額は異なるため、事業所のある都道府県の最低賃金を記載しましょう。
様式7の裏面の記載例(時給制の場合)
2.最低賃金の従業員が月給制(正社員等)の場合
事業場内の最低賃金で働いている人が月給制の場合は、賃金台帳を確認しないと記載することができません。賃金台帳は法定帳簿となり、事業場で必ず作成・保管されているので、人事担当者等に確認して賃金台帳を提出してもらいましょう。
月給制の場合は、賃金の支払総額を所定労働時間数で割って、「時給に換算した金額(時給換算額)」を計算する必要があります。賃金の支払総額とは、賃金台帳の「基本賃金+手当」の金額となります。ただし、下記に該当するものは、時間換算額を求めるうえで、計算に含めません。
時間換算額を求めるうえで計算に含まれない手当等(限定列挙)
・賞与
・時間外勤務手当
・休日出勤手当
・深夜勤務手当
・通勤手当
・家族手当
・精皆勤手当
・臨時の賃金(結婚祝賀金等)
・役員手当
また、所定労働時間とは、労働契約や就業規則などで定めた標準的な労働時間のことで、時間外労働や休日労働等を含みません。所定労働時間や休日は会社によって異なりますので、まずは自社の所定労働時間や休日の規定を就業規則等で確認しましょう。
具体的な記載方法(月給制の場合)
下記の賃金台帳を参考に、様式7の裏面の記載方法を解説します。
まず、賃金の支払総額は、「基本賃金210,000円+住宅手当10,000円=220,000円」となります。家族手当や通勤手当は、時間換算額を求めるうえで計算に含まれない手当等に記載されている手当なので、計算に含みません。
所定労働時間数は、たとえば1日の所定労働時間が8時間、 1年間の所定労働日数が245日だった場合、1カ月の所定労働時間数は「8時間×245日÷12カ月≒163時間」となります。
具体的な計算方法は下記の➊にあてはめて計算しましょう。
様式7の裏面(月給制の場合)
「④事業場内最低賃金となる時間給または時間換算額」も同様に「1時間あたり(1,349円)と記載します。また、「⑤申請時点の地域別最低賃金」については、都道府県ごとに最低賃金額は異なるため、事業所のある都道府県の最低賃金を記載しましょう。
まとめ
事業場内最低賃金が地域の最低賃金を下回っていると問題なので、その点もしっかり確認をしましょう、また、事業場内に最低賃金の方が複数いる場合は全員分の「様式7」が必要となります。
今回はここまで。
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