起業家に伝えたい大切なこと

酒類振興支援事業費補助金について

起業家バンク事務局

補助金にはさまざまな種類がありますが、今回はその中でお酒を取り扱っている事業者様が使える「酒類業振興支援事業補助金」を紹介します。酒類事業者による「日本産酒類のブランディング、インバウンドによる海外需要の開拓といった海外展開に向けた取組、国内外の新市場開拓」などの意欲的な取組を支援するもので、酒類業の健全な発達を促進することが目的となっています。

1.概要

補助対象者:公募申請時において、酒類の製造免許もしくは酒類の販売業免許を受けている者
受付期間:令和6年8月1日~令和6年9月11日【第3期】
申請方法:郵送または電子メールのいずれかの方法
補助事業期間:交付決定日から令和7年2月28日まで
参考URL
0024007-030_02.pdf (nta.go.jp)

2.申請枠

申請枠は「海外展開支援枠」と「新市場開拓支援枠」の2つがあります。

海外展開支援枠

(1)海外展開支援枠とは、日本産酒類の輸出拡大を図るとともに、酒類業の健全な発達を促進するため、日本産酒類の海外販路拡大や商品等の高付加価値化に関する取り組みを支援するものです。
補助率は補助対象経費の2分の1で、補助金額は1,000万円以内(下限:50万円)です。
【取組例】
・海外ニーズを踏まえ、強みを活かした海外展開をするための現地調査やブランド戦略の構築
・海外のし好に即した新商品開発、新規ブランドの立上げ、そのための調査研究
・海外において新規に製品を取り扱う事業者の開拓や新たな販売手法の試行
・海外の有名レストラン等の協力による認知度向上に向けた情報発信

(2)酒蔵の観光化や地域における酒蔵ツーリズムプラン策定の取組も支援されます。
【取組例】
・酒蔵自体が観光化の取組を行うことによる、観光客の受け入れ整備や消費拡大につながる取組
・観光客が、酒蔵等で高付加価値な体験(酒造りや宿泊等)ができる受け入れ環境整備に向けた取組
・地域で酒蔵ツーリズムを実施することにより、地域連携の機運醸成や、酒類を含む地域の価値創造 につながる取組

新市場開拓支援枠

(1)酒類業の経営改革と構造転換を図るとともに、酒類業の健全な発達を促進するため、商品の差別化による新たなニーズの獲得について支援されます。消費者のニーズを掘り起こすとともに、既存商品と差別化された酒類を開発することが目的となっています。
補助率は補助対象経費の2分の1または3分の2で、補助金額は500万円以内(下限:50万円)です。
【取組例】
・食品とのペアリングに特化した商品や、地方産品の特性を生かした商品の開発
・個人に対するオーダーメイド商品の開発体制の構築
・新たな原材料等を使用し、これまでにない特性を持たせた高付加価値商品の開発

(2)販売手法の多様化による新たなニーズの獲得について支援されます。消費者の多様なニーズに応えるサービスを提供することを目的としています。
【取組例】
・商品情報の充実による販売促進
・テイスティング等の顧客体験を重視した販売形態の確立
・データ分析等を用いた、顧客のし好に合致した商品の販売手法の導入

(3)ICT技術を活用した、製造・流通の高度化・効率化について支援されます。ICT技術を活用することによって専門家の技能とICT技術との相乗効果を創出する等、製造や流通の高度化・効率化を図ることが目的です。
【取組例】
・製造:AI技術等を活用した品質管理システムの導入
・流通:RFIDやAIカメラ等を活用した管理システムの導入

3.補助対象経費

①設備費等
②謝金
③旅費
④借損料(リースやレンタル料)
⑤通訳・翻訳費
⑥会議費
⑦広報費
⑧委託費
⑨外注費
⑩マーケティング調査費
⑪産業財産権等取得等費
⑫展示会等出展費
⑬雑役務費
⑭原材料等費
⑮設計・デザイン費
⑯出演料
⑰運営費

4.注意点

「新市場開拓支援枠」には「3~5年の事業計画期間において、給与支給総額を年率平均1.5%以上増加させること」、かつ「売上額または付加価値額を年率平均3%以上増加させること」という2つの申請要件を満たした事業計画書を策定する必要があります。もし、給与支給の増加計画を達成できない等の場合においては、補助金額の一部を返還する必要が出てきますので、注意してください。

まとめ

少子高齢化に伴う成人人口の減少により、今後も酒類消費量の減少が見込まれる中、アルコール飲料業界にとって、この状況への対応が重要なテーマとなっています。このような中、日本酒の輸出量や金額は年々増加しており、海外市場への注目が高まっています。国税庁はこのような背景もと、本補助金により日本産酒類のブランディングや海外需要の開拓、新市場開拓を支援しています。

日本産酒類のブランディング、インバウンドによる海外需要の開拓などの海外展開に向けた取組をご検討されている酒類事業者の方は、この補助金の取組にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

今回はここまで。
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