日本政策金融公庫の「融資・審査」を徹底分析!
起業家や中小企業の資金調達先として「日本政策金融公庫」の名前がよく挙がります。日本政策金融公庫とはどのような機関なのでしょうか。また公庫の「融資・審査」にはどのような特徴があるのでしょうか。
日本政策金融公庫とは?
日本政策金融公庫とは、政府が100%出資している政府系の金融機関です。2008年、日本政策金融公庫の前身である国民生活金融公庫、農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫の3機関が統合して設立されました。沖縄県を除く46都道府県に支店があり、起業家や中小企業を相手に事業融資を行っています。なお、住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)とは全く別個の機関になります。
日本政策金融公庫の「融資・審査」の特徴
日本政策金融公庫の「融資・審査」の特徴を、次の5つの視点から評価しました。
1.調達できる金額
2.金利
3.資金調達の容易さ
4.手元に資金が入るまでの時間
5.手続きの容易さ
評価点(★5が最高点)
調達できる金額
★★★★(十分な資金を調達)
金利
★★★★(低金利)
資金調達の容易さ
★★★(普通)
手元に資金が入るまでの時間
★★★(普通)
手続きの容易さ
★★★(普通)
事業者:おすすめ度
★★★★(★4)
レビュー
調達できる金額(★4)
日本政策金融公庫には国民生活事業、農林水産事業、中小企業事業と3つの事業部から成っており、事業部によって融資できる金額の上限が異なります。
全ての事業部を合わせれば、融資総額は、おおよそ数百万円から10億ぐらいまでとなります。対応できる範囲が広いので、起業家から中堅企業まで幅広い層の企業が取引できます。資金調達できる金額として特に問題ありません。
金利(★4)
政府系金融機関であり、相対的に低金利です。
資金調達の容易さ(★3)
融資には審査があります。必要以上に厳しい審査ではないですが、大目に見てくれるわけでもありません。是々非々の審査で難易度は普通です。
公庫には民間の金融機関にあるような預金業務や決済業務はなく、「融資審査」業務に特化しています。そのため融資に関するデータ・ノウハウに厚みがあります。審査のポイントは、人物、業種、取引環境などによって大きく変わります。
なお、初回の取引実績が良好であれば、2回目以降の審査は簡便に終わります。書類を提出したその日に審査が終わることもあります。
資金が手元に入るまでの時間(★3)
新規の申し込みだと、申請してから手元に資金が入るまで、おおよそ1カ月ほどかかります。
2回目以降の申し込みであれば審査が簡便になるため、早ければ1週間以内で融資が実行されます。
手続きの容易さ(★3)
起業家であれば事業計画書、事業者であれば決算書(確定申告書)が必要です。この他にも様々な書類が求められます。とくに初めて取引するときは、様々な書類が要求され、書類提出に負担を感じると思います。2回目以降、審査が簡便になるため書類の提出負担は大幅に軽減します。
事業者:おすすめ度(★5)
資金調達の手段が乏しい起業家にとっては、数少ない資金調達先の一つです。起業資金としては十分な額を、低金利で安心して使うことができます。また、既存の事業者にとっても、資金調達先となる金融機関の一つとして重宝します。
政策系の金融機関なので、業績が思わしくないときも、また景気後退期のときも相応の支援が期待できます。万が一のお守りとして取引を続けるのがいいかもしれません。
ただし業績が良好な事業者にとっては、さらに簡単に、かつ安い金利で資金調達ができるので、無理に取引を続ける必要はないかもしれません。
日本政策金融公庫のメリット・デメリット
メリット
1.低金利である
融資制度や融資条件などによって金利は大きく異なりますが、相対的に低い水準です。
おおむね、金利は0%前半から2%後半です。信用保証協会を付けない融資なので信用保証料もかかりません。
2.万が一のお守りとなる
政府系の金融機関なので、民間の金融機関よりは業績悪化に対して寛容です。
また天災や景気後退期の支援として緊急融資が実施されることがあります。万が一のお守りとしても役立つ機関です。
デメリット
1.書類の提出負担が大きい
融資の申請書から審査資料まで、さまざまな書類を準備しなければなりません。
とくに事業計画書などの審査資料については書けばいいというものではなく、ポイントを押さえて記載しなければなりません。
2.融資制度が分かりづらい
縦割り行政の弊害とも言えますが、
日本政策金融公庫の融資制度は非常に分かりづらいです。様々な条件が複雑に絡み合っており、制度を完全に理解することは難しいでしょう。
日本政策金融公庫に申し込みたいとき
申し込み方法
基本的に自分の居住地(本店住所)を管轄する支店に行けば申し込むことができます。またインターネットでも申し込むことができます。
申し込みの目安となる時期
資金が必要になる時期の1カ月~1カ月半ぐらい前までに申し込みを終えておきましょう。審査には、事業計画書や決算書などの審査資料が必要です。書類に不備がある場合、申し込みが混み合っている場合は、審査期間が長引くことがあります。
まとめ
日本政策金融公庫の「融資審査」について評価・解説しました。ぜひ起業資金や事業資金を調達をするときの参考にしてください。
今回はここまで。
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