他社より低価格で起業しない方がいい3つの理由
起業家はみんな、起業後の売上が不安なものです。そんな不安が積もってしまうと、ついつい競合他社よりも安い価格で商売を始めてしまいます。価格で他社に差をつけ、お客さんの関心を引きたいという衝動にかられるんですね。
しかし、起業家にとって低価格戦略は決して良策ではありません。なぜ他社よりも安い価格で起業してはいけないのか、その理由を3つ紹介します。
理由1.価格競争は資金力が大きい方が有利
価格競争は資金力(購買力)がある方が圧倒的に有利です。そもそもなぜ低価格戦略を実行できるかというと、低価格で販売しても利益が手元に残るからですよね。そして利益が手元に残る最も大きな理由の一つに「仕入れ原価が安いこと」があります。つまり安く仕入れているので、安く売っても利幅がとれるという仕組みが背景にあるのです。
起業家は、この仕組みを簡単にマネることはできません。なぜなら安く仕入れるためには、より多くの商品を仕入れることが必要であり、より多くの商品を仕入れるためには多くの資金が必要だからです。資金が潤沢にあれば話は別ですが、通常、起業家は安く仕入れることができないので、最終的に価格競争に負けてしまいます。
理由2.ランニングコストが高くなる
低価格戦略は利幅が薄くなるので、より多くの商品を販売しなければ成り立ちません。つまり低価格戦略は「薄利多売」のビジネスモデルとなります。この多売のビジネスモデルですが、実はランニングコストが高くなりがちなのです。
たとえば商品を包む梱包代を考えてみましょう。商品を多く販売すればするほど、商品を包む包装紙や段ボール箱が必要になり梱包代は高くなります。人件費や光熱費についても同じで、商品を多く販売するために長時間にわたってお店を開けることになると、人件費も光熱費も割高となってしまいます。このように、低価格戦略は「コスト高を招く」という副作用があるので注意が必要です。
理由3.顧客の囲い込みができない
競合他社が自分よりも更に価格を下げて新規参入してきた場合、お客さんがいなくなります。低価格を理由に獲得したお客さまは、低価格を理由に離れていきます。新規に参入してくる競合他社は、その業界で成功している企業を研究し、その仕組みを効率的にマネして参入してくるので、なかなか手ごわい相手です。
低価格戦略は「価格が安いこと」に価値を感じるお客さまと繋がることになるため、もっと安い価格で新規参入してきた競合他社に対して対抗することが難しくなります。
まとめ
誤解がないように最後にお伝えしますが、上記の3つの課題をクリアーできるならば他社よりも低価格で起業してもいいでしょう。たとえば他社の商品から機能を落としてシンプル化し原価を抑えることができるのならば他社より安い価格設定でも十分に戦っていけると思います。
自分の商品特性を考えながら、お客さんに何を訴求し、どのような価格帯で展開するか、しっかり熟考しましょう。少なくとも低価格しかアピールできない商品づくりはオススメできません。
今回はここまで。
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