日本政策金融公庫で追加融資を受けるために必要なこと
すでに日本政策金融公庫から融資を受けていて返済が終わっていない場合でも、事業を拡大したいときや、思うように事業が上手くいかなかったときは2回目の融資を検討したいですよね。では、日本政策金融公庫からすでに融資を受けていて、まだ返済途中だったとしても、追加融資(再融資)は受けられるものなのでしょうか?
この記事では、過去に融資を受けている方で、再び追加融資(再融資)を受けたいと考えておられる方のため、有益な情報を提供しています。
返済途中でも追加融資を受けることはできるか?
すでに日本政策金融公庫から融資を受けていて、まだ返済が終わっていない場合でも追加で融資を受けることができるのでしょうか。この答えは簡単で、もちろん追加融資を受けることは可能です。
しかし、
(1)融資を受けて1年以上経過している人
(2)融資を受けて1年未満の人(据え置き期間中の人)
(3)リスケをしている人
では、やはり追加融資を受けられる確度は違います。
そのため、それぞれのケースごとに解説していきたいと思います。
(1)融資を受けて1年以上、経過している人
たとえば最初の融資が5年返済だとして、それから2年ぐらい経過している場合は、何も気にすることはありません。管轄の支店に電話して、堂々と追加融資の申込に行きましょう。明確な基準はありませんが、最初に受けた融資の3割以上を返済している場合、追加融資の可能性は十分にあります。
追加融資を受けられるかどうかは、次の2点が大きな判断基準となります。それぞれ具体的に確認していきましょう。
業績が安定していること
原則として、追加融資を受けられるかどうかは、そのときの決算書(個人事業主であれば確定申告)の内容次第となります。業績が安定しているかどうかの判断は、業種や事業規模によってそれぞれ異なるため説明は省略しますが、基本的に追加融資かどうかが問題になることはなく、そのときの事業内容が安定しているか否かが判断の分かれ目になると考えておきましょう。
返済期日を守っていること
追加融資の審査は、直近の融資の返済実績が判断材料となります。遅滞なく返済期日を守れていることは審査で重視されるポイントの一つです。いくら事業内容が安定している場合でも、返済実績が悪ければ追加融資を受けることはできません。取引相手に不義理をして信頼を失ったら次の取引ができなくなるのは、なにも融資に限ったことではありませんよね。
(2)融資を受けて1年未満の人
融資を受けて1年未満の場合、追加融資の確度は低くなってしまうことは間違いないですが、可能性はゼロではありません。これは、たとえ据置期間中の人であっても同じです。下記に該当する場合は、追加融資を受けることができる場合が多いでしょう。
災害等における緊急融資
公庫は公的機関ですので、政策によって国の特別予算が計上され、それを原資として融資を受けることがあります。水害や地震、新型コロナウイルスの感染拡大などもそうですが、何らかの災害に受けてしまった事業者に対しては、災害貸付、緊急特別貸付といった「別枠」で融資をすることができます。特殊な事業がある場合は、ためらわずに相談してみましょう。
事業を拡大するための資金
当初の計画よりも事業が上手くいかず資金が足りなくなった、という場合では追加融資を受けられないと思います。しかし、当初の予想よりも事業が順調で資金が足りなくなった場合は、融資を受けて1年未満であっても追加融資を受けることができる可能性があります。売上の帳簿や取引先との契約書をもって、事業が順調に進んでいることを説明してみましょう。
与信が余っているケース
与信(よしん)とは、文字通り、「信用を与える」という意味になります。金融機関で使用する与信とは、 相手にいくらまでの融資を行うことができるか、という意味になります。そのため、融資をする側の話になりますが、たとえば与信が500万円だったとして、最初の融資が300万円だった場合、200万円の与信が残るわけですから、その200万円は、たとえ融資を受けて1年未満の場合であっても追加融資をすることができます。最初に500万円を融資するか、300万円と200万円に分けて融資するかの違い、ということになりますね。
(3)リスケをしている人(リスケ中の追加融資)
リスケとは、「リスケジュール(reschedule)」の略で、スケジュールを変更するという意味があります。金融機関で使われるリスケは、返済スケジュールの変更、つまり「毎月の返済額を減額する」という意味で使われます。
リスケをしている場合、民間金融機関であれば、ほぼ間違いなく追加融資は受けられません。しかし、日本政策金融公庫は政策金融という位置づけになるため、実は追加融資を受けられる可能性が十分にあります。
色々と要件はありますが、主に①リスケ後の業績が回復傾向にあること、②リスケ後の支払い振りに遅れがないこと、の2点は必要になるでしょう。①の業績が回復傾向にあることの目安は、リスケ前の返済金額に戻しても十分に返済できるぐらいに回復していることが必要となります。
リスケ中の人が追加融資を申込する場合、直近の業績を示す資料を提出するとともに、今後の見通しを示す事業計画書を作成して提出した方がいいでしょう。リスケをしていると他の金融機関の融資にも悪影響があるため、早めに正常化しておきましょう。
まとめ(追加融資を申し込む目安の時期)
日本政策金融公庫で1度融資を受けてから2回目の融資を受けるまで、どの程度期間を空ければよいのでしょうか?日本政策金融公庫のホームページに記載はありませんが、平均的には、最初の融資の残高が3分の1程度減少したぐらいで追加融資を検討される方が多いと思われます。おそらく、1度目の融資から2~3年後となるでしょう。
公庫に相談すると、少なくとも1年以上は間隔をあけるよう指示されることが多いと思います。追加融資まで、なぜ1年以上の間隔をあけた方がいいのかというと、1年間の返済実績を確認できますし、決算期(個人事業主であれば確定申告期)を更新してもらった方が審査がしやすいからです。同じ決算内容で与信だけ増加させるのは、なかなか難しいところもあります。
ただし、繰り返しとなりますが、1年未満の場合であっても追加融資を行うことはできます。資金調達はタイミングが遅れると資金繰りが窮屈になるので、早め早めに対応していきましょう。
今回はここまで。
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