日本政策金融公庫の低利融資で不動産投資を始める方法
不動産投資を検討している方にとっては、低金利かつ固定金利でアパートローンを組みたいですよね。政府系金融機関である日本政策金融公庫は低金利で固定金利の融資を行っていますが、日本政策金融公庫でアパートローンを組むことは可能なのでしょうか。この記事では、日本政策金融公庫の融資でアパートローンを組む方法を解説しています。
アパートローンとは
そもそもアパートローンとは、家賃収入を目的として不動産投資用のアパートやマンションなどを購入もしくは建築するときに利用できるローンのことを指します。一般的にアパートローンは、借入金が高額となるほか、家賃収入で借入金と支払利息の返済を行う設計となるため、一般的に返済期間は長期返済となります。
日本政策金融公庫のアパートローン
民間の金融機関ではアパートローンを取り扱っていますが、日本政策金融公庫ではアパートローンを取り扱っているのでしょうか。日本政策金融公庫ではアパートローンという名前のローン商品は存在しないため、日本政策金融公庫でアパートローンを組もうとする場合、新創業融資制度もしくは一般的な普通貸付の利用を検討することになります。
まず、新創業融資制度と普通貸付の2つの貸付制度について簡単に説明します。
日本政策金融公庫の新創業融資制度
新創業融資制度とは
新創業融資制度は、これから新しく起業をする方や事業を始めたばかりの方を対象とする融資制度です。新創業融資制度の金利は普通貸付に比べると若干高いですが、民間の金融機関と比較すると低く押さえられています。
新創業融資制度の主な特徴を列挙すると、以下のとおりとなります。
・利用対象者:主にこれから新たに事業を始める方
・資金使途:新たに事業を始めるために必要な設備資金および運転資金
・利用限度額:3,000万円(うち運転資金1,500万円)
・返済期限:通常、運転資金は原則5年以内、設備資金は10年以内
・利率:おおむね2.5%
・不動産担保:不要
新創業融資制度でアパートローンを組めるのか?
金融取引において、不動産投資物件の購入もしくは建築資金として融資を受ける場合、融資の対象となる土地建物を担保に入れる必要があります。これは民間の金融機関であっても日本政策金融公庫であっても同様であり、融資の対象となる土地建物に第一順位の抵当権を設定登記を行います。
新創業融資制度は制度設計上、無担保無保証の制度であるため、土地建物に担保を設定する必要があるアパートローンでは新創業融資制度は利用できないことになります。
日本政策金融公庫の普通貸付
日本政策金融公庫の一般貸付は、有担保でも無担保でも融資を実行できるため、融資の対象となる土地建物に第一順位の抵当権を設定登記を行うことが可能です。気になる利率ですが、担保を差し入れる融資の場合は、おおむね1.0~2.0%となります。固定金利であることを考えると、金利は非常に低いと評価できるでしょう。
普通貸付の主な特徴を列挙すると、以下のとおりとなります。
・資金使途:運転資金もしくは設備資金
・融資限度額:4,800万円以内
・返済期間:運転資金は原則5年以内、設備資金は10年以内
・利率:基準金利(担保評価額に応じて利率が低減)
・不動産担保:有担保でも無担保でも可能
普通貸付でアパートローンを利用するための2つの条件
日本政策金融公庫の普通貸付でアパートローンを組む場合、融資の実行までに2つの高い障壁をクリアーしなければなりません。この2つをクリアーできれば、普通貸付で融資を受けられる可能性が生まれるでしょう。
不動産賃貸業を営むためのローンであること
日本政策金融公庫は民間の金融機関から融資を受けることが難しい中小企業・小規模事業者、またはこれから起業をする人の資金繰りを支援することを目的している政府系金融機関です。政策金融という性質上、投機目的の融資は受け付けていません。したがって、日本政策金融公庫から融資を受ける際にはあくまで「不動産賃貸業」という事業目的で融資を申し込む必要があります。
アパート経営をする場合は「不動産賃貸業」であるので、事業者としてみなすことができますが、購入した不動産を売却する前提である場合は、もはや賃貸業ではなく、売却益を狙った投機であると認識されることになります。投機だと判断されると審査は通りませんので注意が必要です。
短期返済を前提とすること
これが最も高いハードルとなるでしょう。日本政策金融公庫の普通貸付の設備資金の返済期間は上限が10年です。アパートローンは、アパートやマンションの購入・建築費用が高額になるため、通常、返済期間は20~30年に設定されていますが、日本政策金融公庫の普通貸付だと、返済期間が短くなってしまい、家賃収入だけで返済できない可能性が生じます。特別貸付が適用できたとしても、返済期間は最長で15年程度です。何らかの別収入で補てんすることができないと、資金繰りが厳しくなってしまいます。
終わりに
日本政策金融公庫の普通貸付では設備資金の返済期間が10年となるため、借入金額に対して返済期間が短く、毎月の返済額が大きくなります。賃料収入だけで返済することが難しく、アパート経営が毎月の返済で圧迫される恐れがあります。新創業融資制度でアパートローンを組めないですし、普通貸付でも返済期間が短いので、結局のところ、日本政策金融公庫の融資とアパートローンの相性はあまりよくないと評価できるでしょう。
今回はここまで。
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