起業家に伝えたい大切なこと

事業復活支援金を日本一分かりやすく解説

起業家バンク事務局

2021.11.30

経営力向上

新型コロナウイルス感染症の影響は、業界や規模を問わず幅広い事業者にとって大きな打撃となりました。政府はこれまでも様々な事業者救済策を打ち出していますが、新しく発足した岸田内閣も2021年11月20日に新しい支援策を発表しました。

この新しい支援策が、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた中堅中小企業、小規模零細企業及び個人事業主を対象とした事業復活支援金です。2021年度の補正予算に盛り込まれる予定であり、予算規模は3兆8000億円となっています。政府としては地域や業種を問わず、地域経済を支える事業者を支援することで経済回復に弾みをつけたい考えです。

事業復活支援金の概要

事業復活支援金は、新型コロナウイルス感染症によって売上が減少した事業者を対象としています。大企業を除く会社及び個人事業主が対象です。支援金であり融資ではないので、事業者に返済義務は発生しません

事業復活支援金の給付要件

事業復活支援金については、政府が2021年11月20日に支援金の創設を決定したばかりです。2021年11月26日現在、支援金について経済産業省や中小企業庁から公表されている情報は少なく、本格的な情報がわかるのは臨時国会が開催される12月6日前になると予想されます。

以下では、現在のところ判明している給付の要件について解説します。

対象者

新型コロナウイルス感染症の影響で、2021年10月~2022年3月のうち、いずれかの月の売上が減少した事業者が対象になります。地域や業種に限定はなく、固定費負担の支援を目的として、幅広い事業者が対象となります。

給付額

給付額は事業者の年間売上高によって異なり、売上高に応じて3段階に分けられています。過去5か月分の売上高減少額を基準に算定した額を一括給付します。

売上高が5億円以上の場合

減収率50%→250万円
減収率30%→150万円

売上高が5億円未満1億円以上の場合

減収率50%→150万円
減収率30%→90万円

売上高が1億円未満の場合

減収率50%→100万円
減収率30%→60万円

個人事業主の場合

減収率50%→50万円
減収率30%→30万円

なお、対象となる会社の事業形態については発表されていません。持続化給付金や一時支援給付金では、株式会社、有限会社、一般社団法人が対象となっており、同様の対象先が想定されると考えられています。

提出書類

経済産業省中小企業庁が公表した実施要項によれば、申請にあたって提出する書類は以下のとおりです。

・確定申告書
・売上台帳
・本人確認書類の写し
・通帳の写し
・その他中小企業庁が必要と認める書類

上記の書類のうち、準備するのに時間を要するのは売上台帳ぐらいでしょう。事業者のなかには現金取引がメインで通帳管理のみで、売上台帳を作成していない方もいるかもしれません。その場合は新しく売上台帳を作成する必要があります。
逆に、日ごろから売上台帳を付けている方は、書類の準備にさほど労を要さないかもしれません。

持続化給付金や一時支援給付金の申請にあたっては、売上台帳の代わりに通帳や請求書をファイル添付した事業者に対して、給付金運営事務所から修正指示の連絡が来たようです。したがって、確実かつ迅速に支援金を受給するためには売上台帳を作成したほうがいいでしょう

ちなみに売上台帳は確定申告の際に提出義務はありませんが、税務調査対策や今後の給付金申請対策として日頃から作成しておくことをおすすめします。
なお、上記の書類については電子申請で受け付けることが決定しています。

申請開始時期

2021年11月27日現在、事業復活支援金の申請開始時期については公表されていません。経済産業省の中小企業庁が所管していますが、支援金の事務事業を担う事業者の募集を開始しており、その申込み期日が11月24日となっているため、申請時期はそのあとになる見込みです。

また、事業復活支援金は2021年度の補正予算に盛り込まれる予定ですが、補正予算について議論する臨時国会について政府は2022年12月6日の開催を国会に伝えています。臨時国会では事業支援金のみならず、様々なことが議論されるため、公募はしばらく先になりそうです。

事業復活支援金の受給にあたっての準備

事業復活支援金の制度概要が発表されたばかりですので、具体的なスケジュールや申請期間について未定となっています。しかし、事業環境が厳しさを増している事業者にとって支援金の確保は死活問題です。したがって、具体的なスケジュール等が発表される前から、できることを準備しておきましょう。

たとえば、事業復活支援金の手続については「不正防止のため、商工団体や士業、金融機関等による事前確認を実施するとともに、申請者の事務負担を考慮して、電子申請を原則とするなど、可能な限り簡便な手続とする。」とされています。

具体的なプロセスは公表されていませんが、全国商工団体連合会や士業、金融機関の事前確認が必要となる見込みです。事前確認の目的は不正の防止です

経済産業省によれば、持続化給付金について2021年11月25日点で中小企業庁は、持続化給付金を不正に受給した者として770者を認定し、不正受給額は 7億7357万3000円に上っています。事業者に対する迅速な支援を実施するための制度でしたが、結果的に多くの詐欺事件の温床となってしまいました。そのため、不正防止策として事業復活支援金で第三者の事前確認が必要となる見込みです

商工団体や知り合いの士業、金融機関にに支援金の利用を検討している旨を伝えて、具体的な制度運用が開始した段階で、相談に乗ってもらえるよう依頼しておきましょう。

持続化給付金や一時支援給付金からの変更点

事業復活支援金は、持続化給付金や一時支援給付金をベースに制度設計がされると予想されますが、前回の批判を受けて、いくつか変更点について発表しています。

以下では、すでに発表されている、もしくは想定される変更点について解説します。前回の給付金を受けた事業者の方は変更点について留意しましょう。

申請から支給までの期間短縮

持続化給付金は要項では申請から支給までを2週間としていましたが、実際は3割以上の事業者が2週間以上かかっていました。3ヶ月以上経過しても支給されない事業者もいたため、資金繰りに深刻な影響が受けたケースもあります。

この点について、事業復活支援金の公募要項では申請から数週間以内に振り込める体制づくりを支援金事務局に求めており、支給までの期間が迅速化されることが期待されます

「不備ループ」の改善

不備ループとは、申請後に事業者に対して、書類の「不備」を指摘する連絡が繰り返され、なかなか申請が受理されない問題のことです。全国商工団体連合会(全商連)が中小企業庁に対して、改善を要求しており、中小企業庁は改善を約束していました。

不正防止と両立することが求められるため、バランスをとることが難しい問題なのですが、事業者の申請の「不備」に対する対処が事業復活支援金では期待できます。

不正防止の徹底

経済産業省中小企業庁によれば、2021年11月25日時点で持続化給付金を不正に受給した者として770者を認定し、不正受給総額は7億7357万3000円となっています。さらに不正受給を目的とした申請については1万件を突破しています。

この持続化給付金の反省を踏まえて、事業復活支援金では、事業者情報のデータベース化及びデジタル技術の活用によって不正を防ぐ方針です。不正受給については、刑事告発などの厳しい対応が取られることが予想されますので、絶対に行わないようにしましょう。

また、持続化給付金の不正受給では不正の大半が個人事業主によるもので、申請に添える確定申告書を偽造したり、架空の売上台帳を作成したりする手口が中心でした。したがって、個人事業主の方は確定申告書や売上台帳を徹底して精査される可能性が高いといえるでしょう。

まとめ

事業復活支援金はその概要が最近発表されたばかりであり、詳細は不明です。今後、中小企業庁ホームページで随時情報が公表される予定ですので、しっかりと確認しておきましょう。

起業家バンクでも事業復活支援金のサポートに応じる方針です。公式LINEから個別の相談も受け付けておりますのでお気軽にお問い合わせください。

 

今回はここまで。
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