事業資金をカードローンで借入する危険性
「起業資金を準備できない」「今月の運転資金が足りない」このようなときにカードローンを使って資金を用立ててもいいのでしょうか。この記事では「カードローンからの資金調達」を様々な角度から評価し、事業資金をカードローンで借りるときの是非について解説しています。
カードローンの評価
そもそもカードローンは「資金調達の候補先」となりうるのでしょうか。まずカードローンの特徴を、次の5つの視点から評価しました。
1.調達できる金額
2.金利
3.資金調達の容易さ
4.手元に資金が入るまでの時間
5.手続きの容易さ
評価点(★5が最高点)
調達できる金額
★★(上限が低い)
金利
★(高金利)
資金調達の容易さ
★★★★(やや易しい)
手元に資金が入るまでの時間
★★★★★(非常に早い)
手続きの容易さ
★★★★★(非常に簡単)
事業者:おすすめ度
★★(★2)
レビュー
調達できる金額(★2)
カードローンで調達できる金額の上限は、50万円~300万円ほどです。事業規模によりますが、事業資金として利用するには心もとない金額です。
金利(★1)
通常、カードローンは高金利です。銀行や信用金庫など、一般的な金融機関の利息に比べると、
10倍前後の利息を支払わなければなりません。
資金調達の容易さ(★4)
融資には審査がありますが、必要以上に厳しい審査ではありません。初回の利用時に「利用枠」を決めてしまえば、その枠内で利用する限り、追加審査することなく資金調達ができます。
資金が手元に入るまでの時間(★5)
初回の利用であっても、早ければ3日以内に資金が調達できます。初回の利用時に「利用枠」を決めてしまえば、近くのATMですぐに借り入れできます。
手続きの容易さ(★5)
初めて取引するときには本人確認書類などを要求されますが、基本的に手続きは簡便です。何度も足を運ばなくても手続きができますし、「利用枠」を決めてしまえば、その都度、新たな手続きをとる必要はありません。
事業者:おすすめ度(★2)
資金調達の手段が乏しい起業家にとっては、数少ない資金調達先の一つですが、明らかにデメリットの方が大きいといえるでしょう。あえてカードローンを利用する理由は全くありません。既存事業者にとっても、急に資金が必要になり、他の資金調達では間に合わない場合、カードローンで一時的に穴埋めするのはやむを得ないかもしれません。
カードローンのメリット・デメリット
メリット
1.資金を素早く調達できる
カードローンの最大のメリットは「素早い資金調達」です。初回でも早ければ3日以内に資金を調達することができます。一度「利用枠」を決めてしまえば、必要な時に必要なだけ借り入れすることができます。
2.審査がやさしい
現在の「収入と借入金」に重きをおいた審査があります。もちろん融資の可否も審査されますが、どちらかと言えば「利用枠の大小を決める審査」と言えます。高い金利を設定している分、リスクには寛容で審査は易しいです。
デメリット
1.高金利である
貸出利率は、利息制限法ギリギリの利率に設定されています。細かい計算は省略しますが、200万円を2%で借りると年間の支払利息は4万円です。200万円を15%で借りると年間30万円です。借りてきた200万円を元手に、4万円の利益を生み出すのと30万円の利益を生み出すのでは難易度がまったく違います。事業者としては、できる限り低コストで資金を調達したいものです。
2.他の資金調達に支障が出る
すべてのカードローンに当てはまるわけではないですが、カードローンの申し込みの有無、申し込みした時期、借り入れした金額、返済振りなどは他の金融機関に筒抜けだと考えてください。
カードローンの件数が、ある一定ラインを超えると多重債務者扱いになり銀行や信用金庫などから借り入れすることができなくなります。そうなると、高金利で借り入れを繰り返さざるをえなくなり、負の連鎖がはじまります。起業家は初期の事業計画を慎重に検討してください。事業者は普段の資金繰りに気を配りましょう。
カードローンの活用術
カードローンは1~2社が限度
デメリットで記載しましたが、どこのカードローンで申し込みしても情報は金融機関で共有されています。1人が負担できる借入金は、ほぼ決まっています。統計的な観点から、これ以上借入れすると返せなくなる確率が高くなるというラインです。
したがって、最初の1~2社で「利用枠」を設定した後に、3~4社目で利用枠が跳ね上がることは、まずありません。多くても2社を目途にしましょう。
カードローンは瞬間的に使う
緊急に資金が必要になり、他の調達手段では間に合わないときは、カードローンでの穴埋めを考えることもあるでしょう。ただし利用する場合は、瞬間的に使うことが前提です。1カ月以内の瞬間的な借り入れであれば、高い支払利息も大きな負担となりません。
カードローンは起業する前に作る
とくに会社員から起業する人は、会社員の身分があるうちにカードを作っておきましょう。安定した固定給がある方が、借入の条件は良くなります。ノンバンクが不安なら、銀行や郵便局系のカードローンもあります。お守りとして持つのもいいでしょう。
まとめ
以上「事業資金をカードローンで借りるときの是非」について解説しました。
ぜひ起業資金や事業資金を調達をするときの参考にしてください。
今回はここまで。
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