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開業資金を集める15の資金調達術

起業家バンク事務局

どんな事業であっても起業するためには資金が必要ですよね。また、起業した後も人件費や広告費などの運転資金が必ずかかります。しかし、これらの事業資金をすべて自己資金で用意するのは現実的な話ではありません。

では、事業資金を調達するとして、みなさんは資金の調達先をいくつ思い浮かべることができるでしょうか。この記事では事業資金の15の調達方法と、それぞれのメリット・デメリットを紹介しています。

1.日本政策金融公庫からの融資

日本政策金融公庫とは、起業家や中小企業に融資を行っている政府系の金融機関で、沖縄を除く、46都道府県に152支店があります。起業家や起業直後の事業者にとっては、最も関係が深い金融機関のーつといえるでしょう。

メリット

・低金利の融資を受けることができる
・公的な機関であり民間銀行よりも融資を受けやすい
・民間銀行のように定期預金や生命保険などの勧誘がない

デメリット

・融資の実行までに時間がかかる
・審査に必要な提出書類が多い

「日本政策金融公庫の創業融資」について知りたいときは、
この記事を参考にしてください。
審査員の声を直送!日本政策金融公庫の創業融資

「事業融資が断られる、減額される理由」について知りたいときは、
この記事を参考にしてください。
事業融資が断わられる、減額される35の理由

2.信用保証協会付の融資

信用保証協会は、事業者の金融円滑化のために設立された公的な機関で、公的な連帯保証人のような機能があります。銀行や信用金庫から融資を受ける際、信用保証協会の「信用保証」があると融資が通りやすくなります。この信用保証の付いた民間金融機関からの融資を信用保証協会付の融資と呼びます。

メリット

・信用保証協会に取引実績が残るため、追加融資を受けやすい
・無担保で高額な融資を受けることができる(無担保証枠 8,000万円

デメリット

・利息とは別に信用保証協会に「信用保証料」を支払う(融資金額の1%前後)
・融資の決定までに時間がかかる

3.プロパー融資

プロパー融資とは、銀行や信用金庫などの民間金融機関が、信用保証協会の信用保証を付けずに、独自の基準で行う融資のことです。業績が好調であったり、金融機関と信頼関係を築いていたり、不動産などの担保を提供したりする場合、プロパー融資が行われることがあります。

メリット

・低利率であることが多い
・高額の融資を受けることができる

デメリット

・業績が好調であることが必要
・不動産などの担保を求められることもある

4.制度融資

制度融資とは、都道府県や市区町村などの自治体が行っている融資制度のことです。自治体が直接融資を行うわけではなく、自治体と連携している金融機関が信用保証協会の保証のもとに融資を行います。自治体、金融機関、信用保証協会の3機関が連携して、起業家や中小企業に融資を行う制度といえます。

メリット

・低金利の融資を受けることができる

デメリット

・融資の実行までに時間がかかる
・制度融資のしくみがない自治体が多い

 

「制度融資」について知りたいときは、
この記事を参考にしてください。
制度融資で資金調達|5項目から使いやすさを評価する

5.国の補助金

国の補助金は、主に経済産業省が管轄しており、技術革新に関する資金からホームページの開設といった身近な資金まで色々な用途で利用することができます。あらかじめ定められた公募期間に、「補助金を使って何をするか」を説明した事業計画書を提出し、その計画が優秀であると認められれば補助金を受け取ることができます。

メリット

・国から交付される資金であり、返済が不要である
・1,000万円を超える高額な補助金もある

デメリット

・事業計画書の完成度が低いと補助金を貰うことができない
・事業計画を実行してから補助金を受け取るしくみである(自己資金の先出し)
・公募期間があり、タイミングが合わないと利用できない

6.国の助成金

国の補助金は経済産業省が管轄していますが、国の助成金は厚生労働省が管轄しています。厚生労働省は従業員の雇用や賃金等を管理していますので、国の助成金も、従業員を正規雇用する、従業員の賃金を引き上げる、といった従業員の地位向上のための用途に限られます

メリット

・国から交付される資金であり、返済が不要である
・従業員が多い場合、1,000万円を超える助成金を受け取ることができる
・要件に該当すれば、1年中いつでも申請することができる

デメリット

・従業員のいない事業者は利用できない
・助成金の手続きが煩雑で理解しづらい(社会保険労務士等のサポートが必要)
・従業員の地位向上に使った費用が後から補填される(事前に貰えない)

7.自治体の助成金(補助金)

都道府県や市町村が主体となって行う助成金(補助金)です。国の助成金は従業員の地位向上のための用途に限られていましたが、自治体の助成金は幅広い用途に使うことができます
資金が潤沢な東京都などは、国よりも手厚い助成金が準備されています。自治体の財政状況によって、助成金額に大きく差が生じているのが現状です。

メリット

・自治体から交付される資金であり、返済が不要である
・助成金とは別に経営支援など様々なサポートを受けることができる

デメリット

・事業計画書の完成度が低いと助成金を貰うことができない
・公募期間があり、タイミングが合わないと利用できない
・財政状況に余裕がない自治体は助成金のしくみがない

8.民間の補助金・助成金

国や自治体といった公的機関ではなく、大企業や財団などの民間企業が主体となって行っている補助金や助成金制度もあります。ビジネスプランコンテストといった形式をとる場合もあります。応募者を幅広く募集しているので、募集要件に合致していれば積極的にチャレンジしてみましょう。

メリット

・返済が不要である
・主催者側の人脈を利用することができる

デメリット

・事業計画の完成度が低いと入賞できない
・多額の資金を調達できない

9.ベンチャーキャピタル

ベンチャーキャピタル(VC)とは、ハイリターンを目的に出資を行う投資会社のことです。主に急成長が見込まれる企業に対して出資を行います。融資が貸借契約であるのに対して、出資は株式の売買契約となります。スモールビジネスでは出資を受けることはできませんが、株式上場を志すようなベンチャー企業であれば活用を検討してもいいでしょう。

メリット

・資金の返済義務がない(ただし、株式の買取請求を受けることがある)
・ベンチャーキャピタルから経営支援を受けることができる
・民間金融機関からの融資を受けやすくなる

デメリット

・取締役会の開設など、経営陣に対して監視を行うことがある
・株式を安く買われるリスクがある

10.エンジェル投資家

エンシェル投資家とは、企業に対して投資を行う個人の資産家のことです。ベンチャーキャピタルが会社形態であるのに対し、エンジェル投資家は個人で投資を行います。エンジェル投資家にもさまざまな人がいるので、どのような考えをもって投資しているのかしっかり見定めましょう。

メリット

・個人の裁量ですべて決まるため、出資が決まるまでの時間が短い
・エンジェル投資家の人脈を活用することができる

デメリット

・エンジェル投資家に出会う機会が少ない
・多額の資金を調達できない
・経営に関与されるリスクがある

11.クラウドファウンディング

クラウドファンディングとは、インターネットを通じて「やりたいこと」を発信し、その想いに共感してくれた人から資金を募るしくみのことです。クラウドファンディングの運営会社を通じて出資者を募集します。資金を集めてどのようなことをしたいのか、なぜそれをしたいのかなど、出資者に分かりやすいストーリーを作成して募集を始めましょう。文章の作成などは運営会社の担当者が手伝ってくれるので気軽に始めることができます。

メリット

・返済不要の資金を集めることができる(ただし、ケースによっては御礼が必要)
・「やりたいこと」に対して市場の反応を見ることができる

デメリット

・資金が全く集まらないことも多い
・事業内容が公開されることで、模倣されるリスクが増える

12.親族や知人からの借入

起業時や起業直後に親族から事業資金を借り入れるというのは珍しいことではありません。また、親族でなくとも、経営者仲間であったり、取引先であったり、自分の存在が相手にとって必要であれば、何らかの資金提供に応じてくれる可能性は十分にあります。

メリット

・無利息や長期返済の借入も可能である
・借入が決まるまでの期間が短い

デメリット

・資金提供に応じてくれる親族や知人が周りにいることが必要
・関係が悪くなることもある

13.契約者貸し付け

契約者貸付とは、積立型の生命保険などに加入している場合、積立保険の解約返戻金相当額の範囲内で、保険会社から貸し付けを受けることができる制度です。積立保険に加入している人は、いくらぐらいの貸付を受けることができるか事前にチェックしてみるのもいいでしょう。

メリット

・解約返戻金の範囲内で借入するため確実に借入れすることができる
・保険を解約すれば返済を免れることができる

デメリット

・金融機関からの融資よりも貸出利率が高い
・多額の資金を調達できない

14.カードローン

銀行やクレジット会社のカードを使って借入れする方法で、一般的に「キャッシング」と呼ばれています。カードを作る前にキャッシング枠を設定しておき、その範囲内で自由に借入れすることができます。

メリット

・審査がないため、即日に資金を調達することができる
・銀行のATMで手続きできる

デメリット

・貸出利率が10~15%と非常に高い
・キャッシングをしていると、銀行の融資が通りづらくなる

15.ダブルワーク(副業)

起業後の資金調達としてダブルワークという手法が増えています。副業にどれほどの時間を充てることができるかにもよりますが、人手不足やマッチングサイトの充実によって、ダブルワークで資金を稼ぐ機会はますます増えることになるでしょう。また、開業したばかりで仕事がなく、まとまった時間を他の仕事に充てることができるのならば、非常勤という勤務スタイルで経営と給与所得を両立させるのもいいかもしれません。

メリット

・余った時間を資金に変えることができる
・人脈、経験、ノウハウなどが増える

デメリット

・労働時間が増えるため、本業に充てる時間が減る
・体力的な負担が大きい
・多額の資金を調達できない

まとめ

資金調達は、資金調達をするために必要なコスト(資本コスト)が低いものから順番に検討していきましょう。また、起業前や起業後1~2年の間はとくに資金調達が難しい時期です。そのため、資金調達の選択肢は、できる限りたくさん知っておきましょう。

 

今回はここまで。
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