起業家バンクの「よくある質問」のページです。起業家の疑問、難問にお答えします。
※回答欄の( )は回答時の年度を表しています。
起業家バンクについて
- 起業のときに使える補助金や助成金はありますか?
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起業のときに利用できる補助金や助成金はあります。
補助金と助成金の違いについては省略するとして、まず国の補助金ですが、毎年4月~5月頃に経済産業省から公募されています。補助金は国の政策に深く関わることなので、補助金として貰える額や利用要件はその都度変わります。つまりそのときの政策次第、ということですね。補助金は応募すれば誰でも使えるものではなく審査があります。起業に関する補助金の審査は厳しく、採択率(合格率)は10%~20%ほどです。ちなみに平成29年度の創業補助金は、平成29年5月8日~平成29年6月2日の期間で公募され、応募総数739件、採択総数 109件でした(採択率14.7%)。非常に狭き門ですね。
次に国の助成金ですが、厚生労働省で「生涯現役起業支援助成金」というものがあります。内容は「40歳以上の方が事業運営のために必要となる従業員(60歳以上の者を1名以上雇用など)を雇い入れるときに要した募集、採用、教育訓練の実施にかかる費用の一部を助成」するものです。率直に言えば、この助成金は使いづらいですね。
起業のときに使える補助金・助成金は、都道府県が主体的に行っているものも多いです。ビジネスプランコンテストという形式で行っている自治体もあります。都道府県の補助金や助成金は国のものよりも要件を満たしやすく、専門家の無料アドバイスが半年にわたって受けられるなど、特典も多いです。ただし起業家向けの補助金・助成金を設けているかどうかは自治体の方針や財政力次第となるので、そもそも起業家向けの補助金や助成金を設けていない自治体もあります。一度、お住いの自治体のホームページなどを覗いてみましょう。(2017) - 起業して1カ月になりますが「小規模事業者持続化補助金」の利用はできますか?
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利用できます。
起業するときに利用できる国の補助金・助成金の使い勝手はよくありませんが、この「小規模事業者持続化補助金」は採択率が40%~50%ほどあり、使い勝手がいいと評判の補助金です。起業家が狙う補助金の第1候補といえるでしょう。
起業家バンクでは小規模事業者持続化補助金の申請に係る事業計画書の作成支援サービスを行っており、起業1カ月の事業者さまの補助金の獲得実績があります。(2018) - 個人事業と会社(法人)では、どちらが融資を受けやすいですか?
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やや会社の方が有利です。
個人事業でも会社でも起業時点ではほとんど変わらないので、有利・不利を考える必要はないと思います。融資の受けやすさは、融資する側が入手できる情報量や情報の正確性によるところも大きいので、会社謄本が入手できる会社の方がやや有利といえます。起業時点ではほとんど変わりませんが、決算を迎える時期になれば圧倒的に会社の方が有利になります。なぜなら、個人事業主が行う確定申告書よりも会社の行う決算書類の方がはるかに情報量が多く、正確性も高いからです。(2017)
- 会社(法人)で融資を受ける場合、代表者は連帯保証人になりますか?
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連帯保証を求められることが多いです。
会社の代表者を連帯保証人にとらない動きは進んでいますが、起業直後や起業して数年は、会社も代表者個人も一体としてみられることが多いので連帯保証を求められるでしょう。会社と代表者との間で、代表者借入や代表者貸付をしている場合などは、会社も個人も同一事業体として判断されます。(2017)
- 失業保険(失業手当)を貰っているときに起業すると、どうなりますか?
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失業保険の給付はストップします。
起業しても申し出をしない限りバレないかもしれませんが、判明したときは不正受給分を返還しなければなりません。起業家が失業保険を受給できるのは「求職活動と並行して創業の準備・検討をする場合」を満たすときです。つまり創業の準備・検討期間が終了したとみなされる場合、例えば、会社設立、開業届の提出、事務所・店舗の賃貸契約を締結などを行えば、失業保険の給付はストップします。詳しくはこちらの記事を参考にしてください。(2018)
- 長期の返済計画を立てていますが、変動金利と固定金利はどちらが有利ですか?
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変動金利の方が有利と考えます。
固定金利は将来にわたり返済額が計算しやすいというメリットがありますが、変動金利に比べて高い金利が設定されます。日本銀行のマイナス金利がどこまで続くか分かりませんが、融資先となる事業者数が長期的に減少していくことは明らかなので銀行間の金利競争は長期的に続くと思われます。したがって変動金利が固定金利の水準を上回るとは考えにくく、変動金利の方が有利だと考えます。(2017)
- 長期の返済計画を立てていますが、元金均等返済と元利均等返済はどちらが有利ですか?
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元金均等返済の方が有利と考えます。
元利均等返済は毎月の返済額が一定になるので、将来にわたり返済額が計算しやすいというメリットがありますが、利息を先払いする払い方なので数年経っても元金がほとんど減りません。事業融資は銀行間の競争が激しく、他行に借り換えすることがよくあるのですが、良い条件で借り換え先が見つかったとしても元金部分が減っていないので旨味が大きくありません。その点、元金均等返済は元金を確実に減らしていくので、より好条件の借り換え先を探すことができます。したがって元金均等返済の方が有利だと考えます。(2018)